キミじゃなきゃダメなんだ


「その....だから、さ」

「...はい」

「......僕と、」

「はい」

「.............」


黙っちゃったよ先輩!


照れるのはわかりますけど!

あとちょっと!あとちょっとだから!


私から言葉の続きを促すわけにもいかず、黙って待つことにする。

心の中で、思わず頑張って下さいと呟いた。やっぱり私は先輩のことをナメている。だって先輩可愛い。


「.....あの、さ」


目をそらしながら、先輩が喉の奥から絞り出したような声を出す。

たぶん、今彼が絞り出しているのは勇気だろうけど。


「.......よかったら、」

「....はい」

「次の日曜日、一緒に行きませんか」



...なんとなく、予想してた言葉だけど。


実際に言われると、こんなにもキュンとくるものなのかと驚いた。


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