キミじゃなきゃダメなんだ

ていうかこのひと、こういうことを言うとき敬語になるの癖なのかな。

先輩が言ってくれた『好きです。付き合ってください』の言葉が脳内で再生される。


「........」

「....さすがにわかると思うけど、ふたりでだよ」

「わかってますよ」


なかなか返事をしない私を見て不安になったのか、先輩がそんなことを言った。わかりますから！


「.....それが、お願いですか？」


ちらりと上目に見ると、依然として拗ねた顔で「うん」と答えられた。だからその女子力高い反応やめて！可愛い！


「 ....そ、そんなことで、いいんですか？」

「....そんなこと？」

「いやえっと！そんなことっていうか！それなら別にいつでもお受けしたのになぁと思って！」

「...いいんだよ。誘う口実がほしかっただけだし」


そ、そう、なんですか。


「...それで？」

「え？」

「返事」

「あ、えっと、それはもちろん！全然オッケーです！里菜もチョコちゃんも一緒に行ってくれないっていうので、諦めてたんですよね。だから嬉しいです」


これは心からの思いだ。

まさか先輩があのときの会話を聞いてて、一緒に行ってくれることになるとは思わなかったけど。

ビター君ショップに行けるんだ。嬉しい。