キミじゃなきゃダメなんだ
私がニコニコして返事をすると、先輩が心底ホッとしたようにため息をついた。
「...断られると思いました?」
「いや。ちゃんと言えるか不安だった」
あっ、そっち...。
ふーーと長い息をつく先輩が面白くて、思わず笑う。
ほんとに可愛いな、このひと。
「ふふ。先輩のお願いなのに、なんだか私の方が得する気がします」
「なんで?」
「だって行きたかったシャボンパークに行けるし。先輩とお出掛けできるし」
「........そう。僕と、ね」
ちらりと向けられた視線が意味深で、ドキリとする。
先輩と、ふたりきりってことは。
これはいわゆる、その、世間で言う、その、で、で、デートというやつでは。