キミじゃなきゃダメなんだ


入場門のところから、大きな観覧車が垣間見えて、テンションが急上昇した。


「うひゃー、観覧車ですよ先輩!大きいですね」

「そうだね」

「いいなぁ、早く行きたい...」

「ちょっとここで待ってて」

「え?あ、はい」


そう言って、先輩は受付の方へ歩いていく。


あ、そっか。

入場券買わなきゃいけないもんね。しまった、任せてしまった。

今から追いかけるのも何だし、言われた通りここで待っていることにする。


「おまたせ。行こうか」


先輩の手には、入場券が二枚ある。

当然のように一枚渡されて、「あ、」と声が出た。


「先輩、お金...」

「いいよ。僕が誘ったんだし」

「だ、ダメですよ。払います」


ここで負けちゃダメだ。

先輩にタカるような真似はしません!



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