キミじゃなきゃダメなんだ


...おごってもらうより、もっと嬉しいこと、あるもん。

私は今日、先輩と心から楽しく過ごせる方が、ずっとずっと嬉しいもん。



「先輩、バイトしてたんですね。いつ行ってるんですか?」


園内に入って、アトラクションがある場所まで歩く。

日曜日なだけあって、人が多い。


人混みに入るとサラリと手を繋がれて、やっぱり今日の先輩はやばいなと思った。


「週に三日か四日くらい。行ける日に行ってるよ」

「放課後も?ですよね」

「うん。君に勉強教えてた期間、僕に用事があってできなかった日があったでしょ」

「...ああ、そういえば」


里菜の恋バナを聞きながら、久しぶりに三人で帰った日だ。


「あのとき、バイトだったんですか」

「僕としては君に勉強教える方が重要だったけど、どうしても人が足りないって言われて」

「そうだったんですか....すみません、忙しいのに教えてもらって」

「いいよ。まず、テスト期間だったのにシフト入れられたこと自体おかしいしね」


なるほど。

先輩がバイトか。高校生のバイトって、大体接客業だよね。

いいなぁ、すごく行ってみたい。先輩のバイト姿見たい。


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