キミじゃなきゃダメなんだ

けどそのとき、頭上からふわりとした微かな笑い声が聞こえた。



「....まぁ、そういうとこが好きなんだけど」



.....えっ。

うえええー！！？？


一気に顔の温度が上がって、バッと先輩を見つめる。

さっきまでの困ったような顔はそこにはなくて、私にはニヤッとした笑みが向けられていた。




「...友達、ね。いいよ、わかった」




なんだか意味深な言い方だ。

やばい...私、もしかしてとんでもないことを言っちゃったんじゃ。


てゆーか、先輩は本当の本当に、私のこと...好き、なんだ。


「せ、せん、ぱい」

「よろしく、丸岡さん」


弱々しい私の声も虚しく、先輩は機嫌良さそうに教室へ戻ってしまった。



...今日は、厄日かと思ってたけど。

たぶん、吉日。


そんなこんなで、私と汐見先輩は、『お友達』になったのだった。