キミじゃなきゃダメなんだ
┗恋愛下手な女
比較的人の少ない場所を探すと、ちょうど誰もいないベンチを見つけた。
そこに座って、ふう、と息をつく。
鞄から、なけなしの女子力がつまった....今ではもはや救急箱のような役割のポーチを出した。
「...............」
ベンチに座った私の前に立つ先輩は、やっぱり今まででたぶんいちばん不機嫌な顔をしていて。
うう....さっきは普通に話してくれてたのに。
そんなに遮られたの嫌だったのかな。
ため息をつきたくなるのをこらえて、あとちょっと痛みにも耐えて消毒した。
傷自体は大したことないんだけどなぁ。
はあーあ。
私は一体、何度先輩の前で膝を怪我すればいいんだろ。
体育祭練習で怪我したやつ、ついこの前治ったばっかなんですけど。
先輩と出会ったあの日から、私結構継続的に膝に絆創膏を貼っている気がする。
はは....恥ずかしいとか情けないとか通り越してきたよ。ははは。