キミじゃなきゃダメなんだ


右手で口元に当てて、ニヤけるのを抑える。

すると、先輩が心底ムカつくという顔で「何してんの?ケンカ売ってんの?」と言った。あなたのせいですけど!?


「だ、だって」

「だって何」

「....に、ニヤけそう」

「ニヤけていいよ」


えっ。

いやでも、ねえ!?

あんまり素直に反応しちゃうとダメなんじゃないの?まだ私達付き合ってないし!てゆーか先輩も前に『なんでそういう顔すんの?』って怒ってたじゃん!


「こ、これは...っ」

「わかってるよ、わかってるけど。他の男にニヤニヤされるくらいなら、僕にしてくれた方がマシ。てゆうか今までは赤くなるだけで、ニヤけたりしてくれなかったよね?」

「......!」


バーレーてーるー!!

穴があったら入りたい。さすがの私も恥ずかしすぎて死にそうだ。

顔の温度が急上昇してくる。

なのに先輩の口は止まらないし。こういうときだけ饒舌になるのやめて!!


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