キミじゃなきゃダメなんだ
「...楽しいよ。僕も、ちゃんと」
「ほんとですか?先輩、私の希望ばっかり聞いてくれますけど。先輩がしたいことしましょう、次!」
「いいの?」
「もちろんですよ、さぁ行きましょう!」
「足痛くない?」
立ち上がって、歩いてみる。
うん、ちょっと痛むくらいだ。平気!
「大丈夫です、慣れてますので!それより、私こそアホみたいにこけちゃってすみません。時間経っちゃいましたよね」
私も、よく懲りずにこけまくるもんだ。今度、こけそうになったらなんとかする練習しよう。うん。
「...アホではないけど...そうだね。もうすぐ四時になる」
「電車の時間、遅らせましょうよ。もっと遊びたいです」
「じゃあ、六時台の電車?」
「はい。先輩は大丈夫ですか?」
「いいよ」
「やったー」
頑張って、明るくしなきゃ。
私が言わせたんだ。
彼に、『安心できないんだよ』って。
彼の口からいちばん言わせちゃいけない言葉、言わせたんだ。
*
「そういえばさぁ」
乗りたいアトラクションを探しながら、園内を歩く。