キミじゃなきゃダメなんだ


「...楽しいよ。僕も、ちゃんと」

「ほんとですか?先輩、私の希望ばっかり聞いてくれますけど。先輩がしたいことしましょう、次!」

「いいの?」

「もちろんですよ、さぁ行きましょう!」

「足痛くない?」


立ち上がって、歩いてみる。

うん、ちょっと痛むくらいだ。平気!


「大丈夫です、慣れてますので!それより、私こそアホみたいにこけちゃってすみません。時間経っちゃいましたよね」


私も、よく懲りずにこけまくるもんだ。今度、こけそうになったらなんとかする練習しよう。うん。


「...アホではないけど...そうだね。もうすぐ四時になる」

「電車の時間、遅らせましょうよ。もっと遊びたいです」

「じゃあ、六時台の電車?」

「はい。先輩は大丈夫ですか?」

「いいよ」

「やったー」


頑張って、明るくしなきゃ。

私が言わせたんだ。

彼に、『安心できないんだよ』って。


彼の口からいちばん言わせちゃいけない言葉、言わせたんだ。








「そういえばさぁ」


乗りたいアトラクションを探しながら、園内を歩く。



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