キミじゃなきゃダメなんだ


「いい?マルは、神のようなお心の先輩に感謝して、仲良くしなきゃダメだよ。こんな状況、先輩にとっては辛い以外の何物でもないんだから!」

「...はーい」


わかってるよー。

私はそう返事をして、暮れかけた空を見上げた。







次の日。


いつも通りの時間に電車に乗って、三人でなんでもない話をする。

次の駅に着いて扉が開いたとき、乗り込んでくる大勢の人達の隙間から、見覚えのある顔が見えた。


せ...先輩だ!


私達の最寄り駅の、次の駅なんだ。

じゃあ、先輩の家もその近くにあるのかな。


汐見先輩は黒のイヤホンを耳につけて、閉まったドアに寄りかかった。

学ランの下からのぞく、藍色のパーカーが素敵だ。絵になりすぎてる。格好いい。


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