キミじゃなきゃダメなんだ
「カッコいいねえ、汐見先輩」
私の肩の上から、里菜が唇を尖らせて先輩を見つめる。
う...見てたの、バレた。
自分から友達になりましょうって言っといて、なんて不誠実な奴なんだ、私は。
「あんなひとに告られるなんて、マル、いいなぁ~。リナのタイプじゃないけどぉ」
「...そーですか」
里菜のタイプは、もっとチャラチャラした男子だ。さらには年上好き。
チョコちゃんは意外にも、年下と付き合うことが多い。
子犬みたいな男の子が好きなんだって。