キミじゃなきゃダメなんだ
とにかくさっきの話の続きより、巻き込んでしまったことを先輩に土下座して謝りたい気分だった。
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「誠に申し訳ありませんでした」
あれから他のスタッフさんが駆けつけてくれて、私たちは暖房のきいた部屋に通された。
着替えも用意してもらえたから、とりあえず着替えて暖まっていると、さっきの男性スタッフと上司と思われる女性が、一緒に頭を下げてきた。
「い、いえ....こっちの不注意もあるので....」
「いいえ!しっかりと蛇口を確認して使用しなかった、こちらの責任です。本当に申し訳ありませんでした」
厳しそうな女性がそう言って、男性の頭をつかんで謝らせる。
男性スタッフは「すみませんでした....」ともう既に泣いてるんじゃと言いたくなるような声で再度謝ってきた。
「ほ、ほんとに大丈夫ですから。気にしないで下さい」
そうだ。そもそも、あの場でちょうど先輩を立ち止まらせた私が悪い。私の運が悪い。
先輩はいまだに無言だけど。無言で、スタッフの人にもらった暖かいコーヒーを飲んでいる。はっきり言って怖い。
スタッフさんたちは何度も謝罪してから、『身体が暖まるまで好きなだけいてくださって構いませんから』と言って、部屋を出ていった。