キミじゃなきゃダメなんだ


「............」


そして、落ちる沈黙。

よし、と私は立ち上がると、テーブルを挟んで先輩が座っているソファの前に、膝をつこうとした。


「待って」

「え?」

「『え?』じゃない。何しようとしてんの」


しかし、見かねた先輩が止めに入った。

何って、土下座だ。


「今回は、私のせいで先輩が水を被ることになってしまったので....」

「君のせいじゃないよ、何いってんの」

「いえ、謝らせてください。あの場に先輩を立ち止まらせてしまったのが悪いんです」

「ちょっと落ち着こう、百合...」


先輩は頭を抱えている。

まずい、ますます呆れさせてしまってる。

これまでのことも含めて、地にのめり込む勢いで土下座したい。



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