キミじゃなきゃダメなんだ
「ねえ、どうだったの!」
朝からホームで騒がしい里菜に対して、チョコちゃんは相変わらずケータイに夢中だ。
と思ったけど、横目にちらちらと私たちの様子を伺っていた。それなりに気になってるらしい。
まあ訊かれるだろうとは思ってたから、ふたりに言う覚悟は昨日の夜のうちにできてた。
よし言うぞ。口に出してみるぞ。
今の、私の気持ちを。
「....えーと。その...先輩のこと、す、す、好きだなぁ、って、おもった、よ」
改めて口に出すと、それなりに照れた。
里菜の目が、キラキラ光る。
チョコちゃんまでもが携帯から顔を上げていて、私の喉の奥からうぐっという変な音が出た。
「キャー!!」
里菜の甲高い声が、ホームに響き渡った。
ぎゅーっと勢い良く抱き締められて、今度は口からぐへっという間抜けな声が出る。