キミじゃなきゃダメなんだ


「で、でもさぁ」

「でもじゃないよ早く先輩に言いなよ!てゆーか好きだと思った瞬間に言えよ馬鹿!デートの終わりとかさ、最高のタイミングだったでしょ!?」

「うええ、そんなすぐには言えないよ~...」


里菜がキレてる。てゆーかさっきからすごい人目を集めてるから、少し声を押さえてほしい。



「うるさいわよ里菜」



スパコーンというイイ音を立てて、チョコちゃんが里菜の頭をティッシュ箱で叩いた。

彼女は鼻炎持ちだから、常に鞄にティッシュ箱が入っている。


「いっ、いったぁーい!絶対今カド当たったよぉ、チョコちゃん~」


里菜が涙目で頭をさすっている。でもおかげで静かになった。


心の中でチョコちゃんに感謝していると、チョコちゃんが私を鋭い目で見た。



「あとマル。あんたには話があるわ」



お説教だーーーー。

チョコちゃんと三年目の付き合いになる私にはわかる。これは怒られる流れだ。


観念して「ウッス」と返事をしたところで、電車が来た。


電車の中で、チョコちゃんにしこたま叱られた。



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