キミじゃなきゃダメなんだ


『先輩をいつまで待たせるのか』

『先輩の気持ちをちゃんと理解してるのか』

『あんなハイスペックイケメンを振り回しているという自覚はあるのか』


などなど、耳が痛くなるものばかり。


でも、次の駅で同じ車両に汐見先輩が乗ってきて、彼に私達の話が聞こえないかとヒヤヒヤして気が気じゃなかった。


....うん、まぁね。

わかるよ。ふたりの気持ちはね。


確かにそうだ。私が先輩に一言『好きです』とか『付き合ってください』と言えば、 私と先輩は晴れて恋人同士。


ハナから勝利が決まってる試合だ。


ふたりからすれば、今の私はもどかしいばかりだろう。それはわかる。


でもさ、考えてもみてほしい。


あんなイケメンを『恐れ多いから』とフッたあげく、『でももったいない』と言って友達になることを懇願して。


その数ヵ月後、『好きになっちゃいましたー』『だから付き合ってくださーい』なんて、ちょっとムシが良すぎないだろうか、と。


私は昨日の夜、そのことに気がついた。


ちょっと、いやだいぶ調子が良すぎる。

私は一体何様なんだ。



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