キミじゃなきゃダメなんだ
「ごめんマル....あたしも気づかなかったわ。まさか隠し持ってたなんて」
パシーンとまたもやチョコちゃんが里菜の頭を叩いた。
そうやってチョコちゃんに叩かれて、里菜の脳細胞がどんどん死滅していけばいい。そしてひとつ、またひとつと英単語を忘れてしまえ。成績抜いてやる。
「うう、ごめぇーん。だってさぁ、マルにとってはハツカレだよぉ?初!彼!」
「だ、だから言うな!ここで!」
今度は周りの目が生暖かくなった。
さっきのおばさまも優しい目をして私を見ていた。『うふふ、初彼なのね。思い出すわ、私もあの頃...』とか回想が始まってそうな顔してるよ!
「まぁ、おめでとう。よくやったわね、マル」
チョコちゃんが褒めてくれた。
それだけでめちゃくちゃ嬉しい。千代子様ぁ!
「ううう、ふたりにはホンット心配かけたよ~、今度お礼するから!遊びに行こうね!」
「わーい。リナ、ケーキバイキングいきたぁい。マルのおごりで!」
「いいわね」
「さ、三人分の料金はちょっとキツいかなー....」
できれば別ので....なんて言って、いつも通り笑いあう。