キミじゃなきゃダメなんだ
電車に乗り込んで、その揺れに眠気を誘われる。
昨日、あんまり眠れなかった。なんというか、こう、うん。あれで。色々思い出して。変態かよ。
「....そーいえばさ。里菜と松原先輩って、どうなってんの?」
どうしても私の話題だと昨日のアレコレを思い出しそうで、話題を変えた。
「えっ...り、リナ?」
尋ねられた里菜は、不意をつかれたという顔をしている。
「そうだよ。好きなんでしょ?」
「あたしもそれ気になってた。どうなってんのよ」
「えっ....えっとぉ....ま、まだ付き合ってない、よぉ...」
「そうなの?とっくに付き合ってるもんかと」
なんかイチャイチャしてたし。
あーゆーのが普通なのかな。いやどんな普通だよ。
「......リナは好きだけどぉ。松原先輩は、違うと思う」
携帯を唇に当てて、珍しく里菜がぼそぼそ喋る。
いつもハキハキしてるのに。なんかあったのかな。