キミじゃなきゃダメなんだ


真新しい制服に身を包んだ新入生たちが、毎日同じ電車に乗っている。


だけど正直、僕はそんなのどうでもよかった。


ものすごく関心が湧かない。

不思議なほどどうでもいい。


中学の頃から仲が良い諒にすら、『お前ほんとに冷たいよなぁ』と言われる。


わかってはいるけど、興味が湧かないんだから仕方ない。

だから、趣味という趣味もなかった。


苦労はしたくないと思うから、勉強だけはほどほどにしている。

地の頭がいいのか、適度に勉強していれば良い成績はとれた。それもまた、僕を色々とつまらなくさせた。



学校へ行くのは、好きじゃない。

なんでわざわざ、毎日電車に乗ってまで行かなきゃいけないのかわからない。めんどくさい。


人付き合いも好きじゃない。


この顔のせいで、今まで散々苦労を強いられた。


最近も、二年になって初めて同じクラスになった女子たちが、毎日ちらちらこっちを見てくる。僕は動物園のパンダでも、芸能人でもない。



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