キミじゃなきゃダメなんだ
百合を見たら、もう一度僕の方を見ていた。目があった。
ゆっくり、その目が細められた。
『...先輩はもっと、私が先輩のことすごく好きだって、知るべきです』
...やさしく、穏やかに。
それでいて責めるような目で、百合は言った。
すごく自然に、告白された気がする。
すごいなこの子。
僕も今までかなり色々と台詞を吐いてきたけど、たまに言う百合のこういう言葉は、かなり僕の胸をえぐる。
消えない傷を残す。
一生消えない、甘い傷だ。
『...そう、なんだ』
『はい』
『ふーん』
『覚えててくださいね。私が好きなのは、先輩ですから』
『....うん』
いつかにたぶん、似たようなことを僕も言った。
彼女がそれを記憶していて、言ったのかはわからないけど。