キミじゃなきゃダメなんだ
「だ、大丈夫です。先輩、顔きれいですね!」
「....ありがとう」
「あ、お腹鳴った。早く食べましょう」
「自由すぎる....」
テンション上がってるときの先輩も、なかなか自由だと思うけどな。基本的に話通じなくなるからな。
ふたりで並んで、いつもお弁当を食べている管理棟へ歩く。
やっぱりもう十二月だし、廊下を歩くだけでもう寒い。
「寒いですねー」
「そうだね」
とか言いながら、先輩そんなに寒くなさそうなんだけど。
「....なんか、結構平気そうですね。本当に寒いんですか?」
「寒いよ。寒いから中に着込んでんの。あとカイロも腰に貼ってる」
「じゅ、重装備だ....」
着込んでると言われても、先輩の学ランは特にモコモコして見えない。