キミじゃなきゃダメなんだ


「...タイツは?」

「忘れました」

「なんで忘れるの...?てゆーか忘れるものなの?馬鹿でしょ絶対」


さっき自分でも馬鹿だって思ったよ!なんか今日は靴下でも行けるかなって思っちゃったんだよ!!


やっぱりムカついて、ツンとした顔でお弁当を開ける。


すると、何故か先輩がニヤついていた。失礼ながらちょっと頭の心配をした。


「な、なに笑ってるんですか...?大丈夫ですか...?」

「百合が怒ってるのって新鮮だよね」

「...ま、まあ...あまり怒りませんね」


疲れるしね。怒ると。


先輩は「ふーん」と言いながら、お弁当を開ける。ちょっとご機嫌だ。


何がお気に召したんだろう。怒ってほしいのかな。本格的に危ないぞ。



「汐見先輩がどんどん変になってく...」



食べながら思わず呟くと、すかさず「君のせいだけどね」と言われた。

いや違う。勝手に変になっていってるのは先輩だ。私のせいじゃない。


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