キミじゃなきゃダメなんだ


「....せ、先輩?あ、あの、バイトとか入ってるなら、全然.....」

「...なんで、言っちゃうの?」


え?

見ると、先輩の表情はいつのまにか、悔しそうなものに変わっていた。

えっと....



「...僕だって、近々言おうと思ってたのに」



...な、なんか拗ね始めたぞ。どうした。

このひといきなり拗ねるからな。変なとこで。


うええ、そうだったのか。

先輩も、クリスマス誘おうとしてくれてたってこと?


「そ...そうだったんですか。あの、遊園地の時は先輩に誘ってもらったので、今度は私から頑張ってみようかと...」

「...ふぅん」

「あ、じゃ、じゃあ、クリスマスは、私と一緒に過ごしてもらえるってこ....」


と、という最後の一字は、先輩の手で塞がれて言えなかった。えええ。



「だから、言わないでよ」



拗ねまくった先輩の手が、ぐいぐい私の口に押し付けられる。ちょっと苦しいしモゴモゴするからやめてほしい。



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