キミじゃなきゃダメなんだ


こくこくと何度も頷くと、先輩の手はスッと離れてくれた。


ぷはーと息を大きく吸って吐くと、何故か先輩は顔を赤くした。

小さく「なんかエロい」とか言った。な、なんだよ!先輩が口塞ぐからだろ!てか全然エロくねーわ!


今日の先輩は、一段と変だ。まさか彼の口から『エロ』という単語が飛び出すと思わなくてちょっと興奮した。間違えたびっくりした。



「...クリスマスは、バイト入れてないよ。入れるわけないじゃん...」



今度は先輩がツンツンし始めた。

いや、ツンと見せかけてのデレだ。ツンツンしながらデレている。なんだそれわからん。


「そ、そうだったんですね。よかったです」

「デートしようよ」

「えっ」


ちょ、直球だ。キュンとした!

で、『デートしようよ』だって!いいよデートしよう!待ってたよ!



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