キミじゃなきゃダメなんだ


「イルミネーションね。近くにあったっけ」


言いながら、先輩は携帯を操作している。場所を探してくれているのかもしれない。


だけど、実は私にはまだ、ミッションが残っているのだ。


クリスマスデートのお誘い、はクリア。

さあ次だ!


「せ...先輩」

「ん?」

「あ、あの。本人に訊くのはやっぱり駄目かなと思ったんですけど、どうしてもわかんなくて」

「何が?」

「ぷ、プレゼントです。クリスマスの」


先輩が、携帯から顔を上げた。


クリスマスプレゼント。

やっぱりこういうのは、当日までわからないっていう方がいいと思ったんだけど。

何がいいのか、マジでわからなかった。

だってさ、仕方なくない?


目の前のこのひと、趣味ってものがないんだよ。


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