キミじゃなきゃダメなんだ


ここまで社会に無関心なのも珍しい。大丈夫か。

私なんかに構ってる暇があったら、どうか趣味探しをしてほしい。本気で心配。



「先輩は、何か趣味を持つべきです」

「百合がいるからいらない」

「私は趣味じゃない....」



私は先輩のなんなんだ。彼女じゃなかったのか。


ええ~...ほんとにないの?


どうしよう、やっぱり私が適当に見繕うしかないのかな。

いやたぶん、何あげても喜んでくれるとは思うけどさ。決める基準すらないのはさすがに困る。


私がちょっと項垂れると、先輩は申し訳なさそうな顔をした。


「....なんか、ごめん」

「いえ...。でもホント、なんか好きなもの作った方がいいですよ。ストレス発散とか、どうやってるんですか?」

「ストレスとかあんまり溜まらない」


ハイスペックだからか.....!


失敗することがないんだ。日々の中で。


やばい、このひと結構ほんとに危ない。

大丈夫?この先、社会の荒波に揉まれても生きていける?



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