キミじゃなきゃダメなんだ
母親のような心配をしていると、先輩が「欲しいものはないけど」と言った。
「聞きたいことなら、あるよ」
聞きたいこと...?
んん?CDか?でも欲しいものはないって今言ったよな。
「なんですか?」
「下の名前で呼んで欲しい」
え?
し...下の名前?
「せ、先輩の?」
「そう」
「だれが?」
「君が。当たり前でしょ」
ええええーー。
いや、いいけどさ。それ、プレゼントにはならないよね!?
戸惑った顔をすると、「今欲しいものってそれくらいしかないんだよ」と困った顔をされた。ええー!
「選ぶのに困るなら、プレゼントはそれでいいよ。僕も満足できる」
「い、いや、それはちょっと...!」
「じゃあ、当日何かおごって」
ええー!
ほ、ほんとにそれでいいの?ちょっとあれじゃない?さすがにさ?
「...........」
私は悩んだ。
色々なことを考えた。そして結論を出すと、「わかりました」と言った。