キミじゃなきゃダメなんだ


先輩を見上げると、不思議そうな顔で見つめ返される。

私はちょっと迷うように目線を動かしてから、また彼と目を合わせた。

「久登先輩」と、今度はちゃんと言えた。



「キスしてください」



言うと、彼は少しの間驚いた顔をして、私を見ていた。

だけどすぐに目を細めると、何も言わずに顔を近づけてくる。


私は目を閉じた。

唇が重なって、頭の隅っこで幸せだなぁと思った。

甘い、愛。



これがあれば、私ももう、何もいらないかもしれない。



「....ん、んん.....!?」


すっかり安心して先輩のキスを受けていたら、後頭部を掴まれてさらに深いキスをされ始めた。ぎゃあああ。


息が苦しくて、どんどんと胸を叩くと、唇が離される。ぼ、暴走していいとは言ってない!


「せ、先輩!?」

「百合、かわいい....」


なんか目が。

先輩の目が、いつも以上に訴えてくる。私のこと好きすぎてどうしようって言ってくる!


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