キミじゃなきゃダメなんだ


「し、しっかりして!」

「百合がしてって言ったんでしょ」

「私は!一度軽くしてくれたらよかったんです!授業はじまっちゃいますから!」

「ええー....」


だめだー!絶対このひと今『授業とかどうでもいい』って思ってる。くそ、秀才め!私は授業態度で成績を補ってるんだよ!



「も、戻りましょ!早く!」



ガララッとドアを開けて、先輩の腕をぐいぐい引っ張る。

顔が熱くて困っていたら、廊下は信じられないほど寒かった。冬で助かった!


「....君さぁ、ほんとずるいよね。煽るだけ煽って突き放すんだ?」

「あ、煽ってません!」

「はあ....なんか、付き合ってからの方がずっと我慢してる気がする」

「キスしてるじゃないですか」

「足りないんだよ」


じゃあどうすればいいんだ!

ワアーやめろ!私はまだ十六歳だ!想像させるな!やめろお!


ムスッとしながら階段を上る。

一年と二年の階をつなぐ階段の前に来て、彼と目を合わせた。




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