キミじゃなきゃダメなんだ
「先輩、私の頭じゃ追い付きません。数学は私のこと嫌いみたいです」
「君が好きになれば、数学も君のこと好きになってくれるんじゃない?」
「ダメです無理です。ウマが合いません」
「合わせろ」
ヒィ。
なんなんすか先輩、怖い。
そりゃ、こないだ見せた私の絶望的な成績に、驚いたのはわかるけど。
先輩はいつも必ず上位三番には入る秀才だから、私みたいなアホが未知の生物に見えるのも、仕方ないんだけど。
でもぉ!!
うっうっと半泣きになりながら、問題を解いていく。
その間先輩は、涼しい顔で自分の勉強までしてる。なんだこの人スゴすぎる。