キミじゃなきゃダメなんだ
なるほどな、先輩が周りからクールって言われてるワケがわかったよ....
私に優しかったのは、あくまで私だからで。
あっ、これ結構照れるな。
いやいや照れちゃダメだ...私と先輩は友達なんだから。
先輩が実はクールなひとだったとしても、いいひとであることに変わりはない。
現に今だって、救いようのないアホだと言われた私の勉強を、根気よく見てくれてるんだから。
実は私達がいる自習室には、私達以外にも人がちらほらといる。
優等生のイケメンさんとして名高い汐見先輩は、同時にあんまり女の子とつるまないことでも有名で。
今、一応女子である私と一緒にいるこの光景は、当然、注目の的になっていたりする。
先輩と出会ってからもうすぐ三週間が経つし、そろそろ慣れてきたけど。
完璧イケメンの先輩の隣にいる私は、こーんなちんちくりんで。
特に女子生徒の視線が、『なんであんな子が先輩と一緒にいるの?』と語っているのは、さすがにもう気づいてます。