キミじゃなきゃダメなんだ
そうでなくとも私は、先輩に失礼なことばかりしてるし。
せめて、先輩に仲良くしてもらってる後輩として、恥ずかしくないように頑張ろう。
ぐいぃーとシャーペンを動かして、二次関数のグラフを書く。
すると、先輩が静かに言った。
「...今、頑張ればいいんだよ。テストのあとは、体育祭だし」
....体育祭。
そうだ。
テストの二日後、体育祭だ!
「.....!」
グラフから顔をあげて、目を輝かせる。
私の反応は予想通りだったのか、先輩は少し面白そうに口の端を上げた。
「君は好きそうだよね。ああいうイベント」
「もちろん!みんなで団結して、ワイワイやるの大好きです!」
「ふーん。僕はちょっと苦手」
えっ。
化学の教科書を見つめながら、先輩はそっけなく言った。