キミじゃなきゃダメなんだ


そうでなくとも私は、先輩に失礼なことばかりしてるし。

せめて、先輩に仲良くしてもらってる後輩として、恥ずかしくないように頑張ろう。



ぐいぃーとシャーペンを動かして、二次関数のグラフを書く。

すると、先輩が静かに言った。



「...今、頑張ればいいんだよ。テストのあとは、体育祭だし」



....体育祭。

そうだ。

テストの二日後、体育祭だ!


「.....!」


グラフから顔をあげて、目を輝かせる。

私の反応は予想通りだったのか、先輩は少し面白そうに口の端を上げた。


「君は好きそうだよね。ああいうイベント」

「もちろん!みんなで団結して、ワイワイやるの大好きです!」

「ふーん。僕はちょっと苦手」


えっ。

化学の教科書を見つめながら、先輩はそっけなく言った。




< 96 / 549 >

この作品をシェア

pagetop