I先輩
「ウザイ」
ビシッと梨乃ちゃんに言われて、慌てて離れる
槇先輩はただ笑ってて
わたしはまた座ってケーキを食べ進めた。
やっぱり自分達で作ってみんなで食べるとおいしい…
そんなことを考えていると、わたしはあることを思って、持っていたフォークを置いて二人を見た。
「あの…行事、今回参加するのやめませんか?」
「は?あんた何言ってんの」
呆れたように梨乃ちゃんが言う。
自分でもおかしなこと言ってるのはわかってる、けど…
だって、わたしが本当に笑わせたい人は他にいる
笑顔にしたい人達が…
「七瀬と朝水、ですか?」
槇先輩が言う。
"朝水(トモミ)"っていうのがたか先輩のことだっていうのは、なんとなくわかった
「はい…二人を仲直りさせる方法、見つけたかもしれません」
わたしがそう言うと、梨乃ちゃんはハァとため息をついた。
「……べつに…協力、してあげてもいーけど」
「僕も賛成です」
わたしは目を輝かせて二人にお礼を言った。