I先輩
笑顔の法則
「マジ、なんの真似だよこれ。」
5月8日、わたしたち5人は行事をサボって家庭科室に居ました。
千彰先輩は無理矢理渡されたエプロンを身に付けながら言った。
「はい、七瀬先輩はこれ混ぜてください。」
「……………」
梨乃ちゃんが全員にさっさと指示をしていく。
わたしは量り係
カズ先輩は切り係
槇先輩は洗い係
あっという間においしそうなスポンジケーキが焼きあがった。
「はい、みんなセンスなさそうだからあたし飾り係で」
一番オイシイとこを持ってく梨乃ちゃん
ケーキはみるみるうちにオシャレに飾られていって、おいしそうなイチゴののったケーキに早変わりした。
「うおーうまそうっ!」
「早く食おーぜ」
カズ先輩と千彰先輩がフォークを片手に持ちながらケーキを狙っている
「ちょっと待ったー!!!」
わたしは二人を見張りながら、家庭科室のドアを開けた。