I先輩
「入って、ください」
スッと家庭科室に入ってくる小麦色した肌の男の人…たか先輩
わたしたちが呼んだんだ。
「………は?」
千彰先輩はわたしたちを見回して、でも決してたか先輩とは目を合わせなかった。
「千彰せんぱ…「何だよ…?俺、帰るわ」
そう言って出て行こうとする千彰先輩の腕をたか先輩が掴んだ。
「逃げんなよ、千彰」
「………ハァ?」
「なんで、ちゃんと話してくんねーんだよ」
初めて、千彰先輩がたか先輩と目を合わせた。
「………悪かったよ。
謝れば、満足すんだろ?」
「…っ…てめ…!」
たか先輩が千彰先輩の胸ぐらを掴んだ
その手をすかさずカズ先輩がおさえた。
「ちげーだろ、千彰
たかが言ってんのはなんであんなことしたのかって事だろ」
「んなのわかんだろ、あん時の俺見てたら」