I先輩
「こらそこ!!勝手にイチャこいてんじゃねえ!!!」
たか先輩の叫び声がしたと思ったら、急にカズ先輩がわたしから離れた。
「ちょっ…待て、たか!」
―ベショッ
たか先輩の手には空のケーキのお皿、
カズの顔にはお皿に入っていたはずのケーキ
これは…パイ投げならぬ…ケーキ投げ?
「……ぷっ」
「おい!ことりちゃんに笑われたじゃんよ!!」
真っ白な顔のカズ先輩が塩入ケーキを持ってたか先輩を追いかける
その光景がおかしくて、また笑ってしまった。
「こら!食べ物を粗末にしない!!」
「じゃーお前食べろよー?これ全部」
「は?無理」
あっちではまた梨乃ちゃんと千彰先輩が言い争ってて、槇先輩はあたふたしている。
わたしはひたすら笑いを堪えていた。
こんな風にずっと、楽しいといいのに
みんながずっと、笑顔でいられますように。