I先輩
 


「こらそこ!!勝手にイチャこいてんじゃねえ!!!」



たか先輩の叫び声がしたと思ったら、急にカズ先輩がわたしから離れた。



「ちょっ…待て、たか!」



―ベショッ



たか先輩の手には空のケーキのお皿、
カズの顔にはお皿に入っていたはずのケーキ

これは…パイ投げならぬ…ケーキ投げ?



「……ぷっ」

「おい!ことりちゃんに笑われたじゃんよ!!」



真っ白な顔のカズ先輩が塩入ケーキを持ってたか先輩を追いかける

その光景がおかしくて、また笑ってしまった。



「こら!食べ物を粗末にしない!!」

「じゃーお前食べろよー?これ全部」

「は?無理」



あっちではまた梨乃ちゃんと千彰先輩が言い争ってて、槇先輩はあたふたしている。

わたしはひたすら笑いを堪えていた。


こんな風にずっと、楽しいといいのに

みんながずっと、笑顔でいられますように。


< 112 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop