I先輩

人のモノ

 


「ことりちゃん帰ろっ」

「はい!」



いつものように部活が終わって、カズ先輩と一緒に玄関まで行く

靴を履き替えていて気が付いた。



「あ!先輩、やっぱ先に帰っててくださいっ」

「えー?」

「すみません、部室に携帯置いてきちゃったみたいで…」

「そっかあ」



先輩はそう言うと玄関の靴棚によしかかった。

それからわたしの鞄を持った。



「ん、いーよ早く戻ってきて」

「え?」



先輩を見上げると、先輩はわたしの頭を撫でてニッと笑った。



「ここで待ってるから」



なんか…恋人…っぽい!

って、恋人なんだけどっ



「あのっ!なるべく早く戻って来るんでっ!!」



わたしは慌ててまた靴を履き替えた。



「んー…じゃあ10秒ね」

「そっ!それは無理ですっ」

「嘘、慌てなくていーよ」

「はいっ!行ってきます!!」



わたしは急いで階段を上って部室に向かった。


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