I先輩
 


でも、わたしが一緒にいて幸せになれる相手は千彰先輩じゃない…



「ごめん、なさい…」

「なに謝ってんだよバーカ」



先輩は笑うと、わたしの頭をクシャクシャと撫でた。

ごめんね、ありがとう千彰先輩

わたしは何度も何度も頭の中でごめんねとありがとうを繰り返した。



―ガラッ


「ことりちゃん…」

「カズ先輩っ!」



前と…同じ。
だけど、今のカズ先輩は笑ってなくて。

先輩は肩で息をしながらこっちに向かって来た。

千彰先輩の腕を掴んで無理矢理立たると、睨みつけた。



「…触んなよ」

「随分早かったな、カズ」

「お前、変わってねーじゃん…
また人の女に手出してさ、何回繰り返したら気ー済むんだよ!!」

「カズ先輩!違うっ…」



わたしは千彰先輩の腕を掴んでいるカズ先輩の手を両手で握った。



「違います、千彰先輩はっ「取られたくなかったら、しっかり側にいてやれよ」



今度は千彰先輩がカズ先輩を睨んだ。


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