I先輩
わたしがそのまま向かったのは、3年生の…カズ先輩と、千彰先輩の教室。
行くとちょうど朝のHRが終わった所で、千彰先輩が見えた。
「琴璃…?」
千彰先輩はわたしに気付くと、こっちに向かって来た。
「どした?」
「千彰先輩っ!あの、カズ先輩は?」
「あぁ、今日はまだ来てねーよ?なんか携帯も電源切ってるみたいだし…連絡つかねーの」
やっぱり、休学届出したって本当なんだ。
カズ先輩…今どこにいるの?
何も言わないで下を向くわたしの顔を、先輩が覗き込む。
「……なんかあった?」
「先輩の、お兄さんが来て…」
「は!?」
わたしが"お兄さん"という単語を口に出した途端、千彰先輩は物凄く驚いた顔をした。
「どうか、したんですか…?」
「カズの兄ちゃんって…
それ、ちょっとやべーかも。」
そう言って千彰先輩は頭をかいた。