I先輩
「夏目先輩はすごくうちら"あいら部"を大切にしてくれてると思うんだよね。だから、きっと嫌になんか思ってないよ。あたしたちのことも、琴璃のことも。」
梨乃ちゃんの言いたいことがわかった。
あんたはただ夏目先輩を信じてなさいって、言ってるんだよね。
「うん」
なんだろう、今は不安なんか少しもなくて、すごく…心があったかい。
「ありがとう、梨乃ちゃん!」
わたしはニッコリ笑うと、靴を履き終えて立ち上がった。
「一人で大丈夫?」
「うん、大丈夫!」
わたしは片手でガッツポーズをして見せると、そのまま走り出した。
「行ってきます!!」
先輩…先輩……
信じてるよ、カズ先輩