I先輩
「……っあー…頭いてぇ……つか、俺の彼女イジメてんなよ、バカ兄貴。」
「カズ先輩!?」
「なにぃ!?」
家の奥から頭をおさえながら先輩がスウェット姿で出てきた。
たぶん、寝起きなんだと思う。
「それにことりちゃんはブスじゃない」
「な…カズくん……!
なんで起きてきて…ハッ!!」
お兄さんは自分の腕時計に目をやると、一気に顔色を変えた。
そして尋常じゃない程の汗をかいていた。
「お前、朝飯に何入れた…?」
眉間にシワを寄せながら先輩がお兄さんの胸ぐらを掴む。
カズ先輩…久しぶりにキレてる
「いや…ちょっと睡眠薬を…?」
なぜか疑問系でお兄さんが答える。
っていうか…睡眠薬!?
「何してくれてんだよてめー!
しかもなんで居んだよ!?
外国人の彼女と一緒にアメリカ行ってたんじゃねーのかよ!?」
「シェリーな…今、倦怠気でさ…俺、一時帰国?みたいな。
ほら、カズくんに悪い虫がついてないか調べるのも兼ねて」
「はぁ?」