I先輩
 


先輩はハァーと長いため息をついて、空いている片方の手で頭をかいた。



「俺はこんなにことりちゃんが好きなのに、ことりちゃんにも負けないくらい。
なのに、不安になる理由なんてある?それとも、これでもまだ足りない?」



わたしはブンブンと首を横に振った。

どうしよう、嬉しすぎて…また泣きそうになる。



「あ、やっぱ好きじゃなかった。」

「ええっ!?」



わたしが驚いた声を出すと、先輩は口の端を上げて悪戯っぽく笑った。



「"大好き"だった!」



カズ先輩は、たまに意地悪。

でも、いつも嬉しいことを言ってくれる…



「わっ…わたしの方が大好きです!」

「じゃー俺は大大大好き!」

「じゃあわたしは大大大大「うぜー…バカップル」



ボソッとお兄さんが呟いた。

途端に赤くなるわたしの顔。

失礼だけど忘れてた、お兄さんが居たこと。


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