I先輩
「まじ、ムカつく」
「あ?」
あ、黒いカズ先輩再び登場
「そんなカズくんの笑顔見たの久しぶりだっつーの
ずりーんだよ、独り占めかよ」
お兄さんはムスッと口の端を尖らせて言った。
「ま、弟の幸せそうな顔見んのが兄の幸せだし?
その理由があんたなら、無理矢理引き離す必要もねーし?」
「お兄さん…!」
「てめーにお兄さんとか言われる筋合いねぇ、一也様と呼べ。」
「いっ…いいいいち「呼ばなくていーから、ことりちゃん」
わたしを止めながら、眉毛を下げて笑う先輩。
お母さん、お兄さん、独り占めしちゃってごめんなさい。
でも、譲れないんです。
だってわたしにはこの笑顔が必要だから。
「カズ先輩は、みんなに愛されてるんですね」
「当たり前だろ!カズくんだぞ!」
「いや意味わかんねーし、ウゼーし。」
先輩と一緒にいると、嬉しいことがいっぱいで
辛いことなんて吹っ飛んじゃうくらい、幸せなことがありすぎて
絶対、離したくないって思っちゃうんです。