I先輩
わたしの先輩
わたしって結局なんでも中途半端で…
思えば…今まで……
自分が自慢できるようなことって、なかった気がする。
「あ、そういえば…琴璃ー」
「んー?」
わたしはみんなの机に、コーラの入ったカップを置きながら、梨乃ちゃんの話に耳を傾けた。
「知ってた?あたしの好きな人って、七瀬先輩なの」
「えーー!!!?」
―ブホッ
部室での突然の梨乃ちゃんの重大発表に、思わず持っていたカップを落としそうになった。
好きな人が千彰先輩っていう、意外なとこもビックリしたけど
それより、なにより…
本人がいる前で、堂々と!
「おい、それは俺が聞いても言い話だったのか…?
つーかもう聞いたけど…」
千彰先輩が口元を拭いながら梨乃ちゃんに聞く
どうやら、コーラを吹き出したみたい。
「盗み聞きとか趣味悪いですよ」
「お前が!わざと聞こえるよーに言ったんだろ!?」
また、二人の言い争いが始まった。