I先輩
 


「じゃあ、付き合ってもらえます?あたしと」

「はぁ?……」



千彰先輩は片手を顎にそえて少し考えてから、梨乃ちゃんの胸元を見て言った。



「まぁ、お前がEくらいになったら考えてやってもいーけど。」

「はぁ?ならいーし。」

「てめっ…!せっかくの人の好意を「じゃあ、僕なんてどうです?」



ニッコリと笑って槇先輩が言う。



「え、槇先輩って梨乃ちゃんが…え!?」

「少なくとも、七瀬よりは優しいですよ?」

「はぁ!?」

「………いいかも。」



え、いいの!?

思わず心の中でツッコんでた。

クスクス笑う槇先輩に、テンパっている千彰先輩、それとなぜか納得している梨乃ちゃん。

3人とも、辛い過去があったはずなのに

みんな、わたしの知らないところでちゃんと前に進めてるんだ。

"過去に負けない今"って、やつかな?



「こーとりちゃんっ」



カズ先輩が、わたしの名前を呼んで手招きをする。


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