I先輩
「実はさー、親子なんだよね、俺ら」
「………えっ!!!?」
「うわーいいリアクション」
だってそんなの初耳だし…
でも確か理事長の名字は"佐月(サツキ)"だったような…
「まぁあの人は職場では旧姓名乗ってるから、わかんなくても仕方ないね」
「あっ、そうなんですか」
謎が解けてスッキリした。
「ん、着いたよ」
目の前には大きくて立派な扉。
先輩が2回ノックすると、中からどうぞという声がした。
―ガチャッ…
中に入ると理事長は黒い一人がけのイスに座っていた。
「約束通り5人集めたんで。
サインよろしくお願いします。」
先輩は理事長の机の上に紙を置いた。
「5人…?」
「はい。」
「そちらの子は部員の子…?」
理事長がわたしを見て言った。
「はいっ!1年C組治田琴璃です、よろしくお願いします!!」
わたしは勢いよく頭を下げた。