I先輩
―ポフッ
槇先輩が優しくわたしの頭に手を置いてしゃがんだ。
今はわたしと同じ目線…
「そうですか…
ところで夏目は?」
「…まだ……」
「大丈夫ですよ。
きっと夏目がなんとかしてくれますから。」
根拠なんてないのに、槇先輩は頭の頭を優しくなでて笑った。
「とにかく中に入って…みんなに話してくれますか?」
「はい…」
わたしが小さく頷くと、槇先輩は立ち上がってドアに手をかけた。
「シャキーンッ!
夏目様登場っ!!!」
「夏目…」
「カズ先輩っ!!!?」
後ろを振り向くと、笑顔でクシャクシャの紙を自慢気に見せているカズ先輩がいた。
「それ…どうしたんですか!?」
「サインもらってきたっ!よゆーでくれたしっ」
そう言って先輩は笑顔でピースした。
「…とりあえず一件落着ですね」
わたしの目にはまた涙があふれた。
今度は嬉しい涙。
まだみんなと一緒にいられるんだ…