I先輩
お昼休み、わたしは梨乃ちゃんの教室の前にいた。
「あれ?琴璃ちゃんっ」
梨乃ちゃんはわたしに気づくと走ってきた。
「どうしたの?」
「あの…先輩が…昨日も今日も部活あるって…」
「…琴璃ちゃん…もしかして梨乃のこと疑ってる?嘘、ついてるって」
そう言って梨乃ちゃんが悲しそうな顔をした。
「あの、疑うとかじゃなくて…なんでそんな嘘ついたのかなぁって…思って」
「やっぱり疑ってるんじゃん」
梨乃ちゃんはわたしの目を見て言ったあと
両手で顔をおおってしゃがみこんでしまった。
「ひどい琴璃ちゃんっ…」
「え…!?いや…あのっ…ご…ごめんね?」
周りを見渡すと梨乃ちゃんのクラスの子たちが集まっていた。
「あ、とりあえず場所変えよ?」
ここだと目立っちゃうし…
「琴璃ちゃんて最低だよね」
「え?」
いまの…梨乃ちゃんの声?
なんかいつもより低かったような…