I先輩
 


「梨乃が夏目先輩のこと好きなの知ってるくせに、梨乃の前でわざと仲良くしたり…他の先輩にだって色目使って…」



え…

わざと仲良く?色目?

しかも梨乃ちゃんがカズ先輩のこと好きって…

初耳だよ!!!?



「結局かっこいい男の人なら誰でもいいんでしょ?
最低だよ琴璃ちゃん…」

「え…あの…?」



梨乃ちゃん何言ってるの?

そんなこと言われても、全く見に覚えないし…



「なにあいつ」

「たいしてかわいくないくせに」

「友谷さん可哀想…」



周りの子たちがざわざわ騒ぎ始めた。

わたし…
ほんとに何も…



「ねぇ、部活やめてよ」



梨乃ちゃんがまたわたしの目を見て言った。

すごく怖い目で…

梨乃ちゃんの目に睨まれると、なんだか本当に自分が悪いことしてるみたいな気分になってしまう…



「…………っ…」

「どうかしましたか?」



後ろを振り返ると槇先輩が立っていた。


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