I先輩
 


「チャイム、鳴りますよ?」

「先輩も昨日の話聞いてましたよね!?琴璃ちゃん今すぐやめさせて下さい!!」



昨日の話…?

昨日の話ってなに?

槇先輩はチラッと一瞬わたしを見てから、すぐに目を反らした。



「…その話は放課後に。
今はもう授業が始まりますから、教室に入って下さい。」



先輩…さっきの話聞いてたのかな

先輩もわたしのことそういう風に思ってたのかな



「治田さんも早く教室に戻って下さい」



目を合わせないようにして槇先輩が言った。



「…………はい」



わたし…やめさせられちゃうのかなぁ…










放課後、わたしは部室の前にいた。

ちゃんと…梨乃ちゃんと話し合って仲直りしたい。

わたしは勢いよくドアを開けた。



「こんに…ち…は?」



部室には梨乃ちゃんだけがいた。


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